横領の刀 持ち主に 福井地裁 判決受け強制執行
福井新聞 2017年10月28日
客から預かった日本刀を返却しなかったとして福井市の業者の男が業務上横領などの罪に問われている事件で、刀や十字やりなどの返還を命じた福井地裁の判決に業者側が応じなかったため、地裁は27日、業者の店舗や倉庫で回収の強制執行を行った。事件の捜査本部が置かれていた福井暑は同日、押収していた刀を被害者に還付した。
業務上横領などの罪に問われているのは福井市照手1丁目、刀剣類販売・修理会社「勝山剣光堂」代表取締役勝山智充被告(48)=公判中。13府県20人が刀25本と十字やり1本、鐔などの付属品の返還を求めた集団訴訟で、地裁は原告側の訴えをすべて認め、引き渡すよう命じる判決を言い渡していた。
このうち、判決前に出された決定に基づき、強制執行により3人の刀3本が回収済み。この日は11人が回収に立ち会い、10人の刀18本や十字やり1本、鐔などの付属品多数が返還された。同署からは後日、残り3人に刀3本が返還される予定。
被害者の会の[4字削除]、[4字削除]両弁護士が福井市内で会見し「刀身については希望する被害者全員分が回収できる見込みとなった。一つの大きな区切になる」と話した。
一方、被害者1人については預けた鐔などの付属品がすベて発見できず、返還されなかった。
出典
『福井新聞』2017年10月28日、25面