勝山剣光堂ニュース


刀剣横領事件、解決へ長期化必至
逮捕から半年、被害者続々と名乗り

福井新聞 ONLINE 2016年11月18日 07時10分

 修理依頼で預かった日本刀を返却しなかったとして、業務上横領の疑いで福井市の刀剣業者、勝山剣光堂の代表取締役の勝山智充容疑者(48)を、福井署が逮捕して18日で半年。被害者が続々と名乗り出ており、福井新聞の調べでは少なくとも19都道府県約80人に上る。悲痛な叫びを上げる人たちの一部が「被害者の会」を結成、集団訴訟を模索している。一方、刑事裁判で被告となった男は否認を続けており、検察側はさらに追起訴する方針を示す。解決まで長期化は必至の状況となっている。

 ■電話確認で50万円

 「5日後までに50万円を支払え。支払いに応じない場合、刀の権利放棄とみなし相殺する。本来ならもっと高額だがまけておく」。同被告が、刀の返却を求めた広島県の男性に送ったメールには一方的な文言が並んでいた。

 2015年、刀の修理を同被告に依頼した男性は、この刀の委託販売を持ちかけられ同意したがその後、約2カ月間、音信不通に。不審に思い委託取りやめを求めたところこのメールが返ってきた。「キャンセル料」「電話問い合わせのペナルティー料」などと主張したという。

 被害を訴えているほかの十数人も、同様の“手口”で法外な請求をされ、刀剣が返却されないままになっている。広島の男性には「迷惑が繰り返された」と最終的に違約金780万円が通告された。

 ■端緒十数年、捜査メス

 福井署に最初、被害相談があったのは2002年ごろ。当初は「契約上の問題だった」(同署)が、09年ごろから「預けた刀が返却されない」といった相談が多くなった。約30件だった相談は今年5月の逮捕後、約80件となった。

 同署では同被告が以前、裁判官の差し押さえに偽装工作した模造刀を提出したことなど、横領を裏付ける状況証拠を積み重ね5度にわたる逮捕に結びつけた。

 被害者はこれまで各地の警察など公的機関に相談しており、十数年を経て強制捜査のメスが入った格好。同署では「1人でも多くの被害者の刀を特定し被害回復を図りたい」としている。

 ■悲痛な叫び続々

 被害者の会が9月に発足。約60人となった会員からは「本家からの形見分けだった」「祖父のサーベルが戻ってこない」などと悲痛な声が上がっている。

 北海道の男性は年金暮らしの足しにしようと販売委託して11年余り。「金銭的に大変な思い。早く刀が売れればと首を長くして待っていた」が、買い手がないと言い続けられたという。茨城県の男性は「300年以上にわたって継承されてきた刀が汚されてしまった」と無念がった。

 同会では刀剣などの返還や、支払った不当な費用に対する損害賠償を求める集団訴訟を模索。京都、大阪両府の弁護士2人が被害状況を調査している。

 同会事務局長で社会問題被害者救済センター(福井市)の村内光晴代表は「被告の威嚇におびえる声や、怒りを通り越した声が事務局に託された。被告の身勝手な主張を許さず全面勝訴を勝ち取る決意」と話している。

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今年10月に開かれた被害者の会の総会。同会では集団訴訟に踏み切る構えだ
=福井市の福井県国際交流会館



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「刀剣横領 広がる被害 逮捕半年 福井の業者否認 19都道府県80人、訴訟も 解決へ長期化必至」『福井新聞』2016年11月18日、27面



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