横領の日本刀 所有者に還付 地裁が強制執行
中日新聞 2017年10月28日
福井市照手一の刀剣販売修理業「勝山剣光堂」の社長勝山智充被告(四八)=業務上横領罪などで公判中=による日本刀横領事件に絡み、民事訴訟で元顧客が預けた刀剣を返還するよう同社に命じた福井地裁判決の確定に基づく強制執行が二十七日にあり、地裁の執行官らが同社店舗から刀などを回収したほか、福井署は押収品を所有者に還付した。
地裁は九月二十日、元顧客ら十七人の訴えを認め、刀二十二振りとやり一本などの返還を命じる判決を出したが、会社側は応じていなかった。福井暑が押収していた刀十六振りについては、同社側にあった還付請求権を所有者が差し押さえるという手続きを取った。
複雑な手続きを経てようやく刀を取り戻した石川県の六十代男性は「愛着のある刀だったのでうれしい。状態も良かった」と話した。
大半が返還された一方、発見に至らなかったつばなどの付属品もあり、被害者の会の村内光晴事務局長は「損害賠償を求めるなどして被害者救済を続けていきたい」とコメントした。
出典
『中日新聞』2017年10月28日、朝刊、福井版、10版、22面