勝山剣光堂の1円玉オークション
勝山智充受刑者がヤフオクで落札者にトラブルを仕掛けた事例を2件、「勝山被告とNPOとインターネットオークション」で紹介しました。そのうち1件は勝山受刑者の「やり得」に終わったようですが、もう1件は警察沙汰に発展しています。銀行口座を凍結され、通帳を押収されたことに不満を抱いた勝山受刑者は、まず警察署に出向いて盗難届と紛失届を出そうとするのですが、当然のことながら拒否されています。それから銀行の窓口に出向いて暴れ、衆人環視の中、駆けつけた複数の警官に現行犯逮捕されているのです。これだけでも十分おかしいのですが、その上さらに、その時の記録を自分でネットに公開するという挙動に出ています。それを誤字も含めて以下にそのまま引用してみましょう。(注1)
警察沙汰 | 神奈川県警 知能係 大塚 | 届出迷惑料 30万円 |
捜査開始、事件立上 | 郵貯銀行口座凍結 2014.1.30. 職権乱用+越権行為 |
処分迷惑料 50万円 |
ATM停止 2014.2.1.18時~通帳差押 | 福井署 夜間 紛失届け、盗難届け、不受理。 |
届出迷惑料 30万円 |
ゆうちょダイレクト ログイン停止 | 他の振込み者 制限影響有り | 届出迷惑料 10万円 |
郵貯銀行 窓口 2/3(月) | 110番緊急通報 福井署警官20名 掛け付け 公衆面前逮捕劇 |
処分迷惑料 50万円 |
2014.2.8. 非常に悪い評価で 報復を受ける。風評被害 |
迷惑料 30万円 | |
本WEBページ作成+掲載費用 | 作成費用 10万円 | |
Yahoo!カスタマー 出品停止処分と 復帰対応にまつわる損害 |
総額 30万円 | |
各通信通話料金 心的被害 風評被害 名誉棄損 損害賠償相当分 |
総額 50万円 | |
弁護士顧問料、裁判所手続関連費用と 手間相当分 (追加変動制) |
10万円(2014.2.10.時点) | |
被害総額 合計 | 300万円 |
被害総額300万円というのは、おそらく当時、何らかの理由で必要としていた金額に合わせたものでしょう。それにしても、こんなものをネットで拡散すれば、それが通用すると本気で思っていたのでしょうか? 狂っているとしか言いようがありません。勝山智充受刑者は中高生のころガキ大将に目をつけられ、使い走りをやらされていたようなのですが、何かあるたびに、いちいち不可解な反応を示すことで、相当ばかにされていたのではないかと思います。
以上は fullset18 というヤフーIDを用いてなされたことですが、勝山智充受刑者はヤフオクに出品するにあたり、これを含む以下三つのIDを使っていたことがわかっています。
- fullset18 (2010年〜2016年)
- kenkodo8 (2009年)
- katsuyama18 (2003年〜2009年)
fullset18 の利用が2016年で止まっているのは、同年5月に勝山剣光堂に対して強制捜査が実施され、勝山智充受刑者の身柄が拘束されたことによります。なお、katsuyama18 の利用を2009年でやめているのは、勝山受刑者自身の説明によれば「ヤフーから一方的で理不尽な停止処分を受けました」ためとか。具体的にどのような行為が問題視されたのかは不明ですが、当時、勝山受刑者は1円玉をヤフオクに出品して、それを落札した人に対して「割引価格」で商品を販売するとしていました。当時ヤフオクには固定的な利用料がなく、落札金額の何パーセントかを手数料としてヤフーに納める決まりになっていたのです。そこで勝山受刑者は1円硬貨を出品し、それを額面の1円で落札させることにより、手数料の支払いを回避しつつ売買に必要な情報のやりとりをするというアイデアを思いついたようです。これが当時のヤフオクの規約に照らして違反になるのかどうかは不明ですが、勝山受刑者自身に、悪いことをしているという自覚はあったようです。勝山剣光堂のサイト内に、このようなページを設けていました。(注2)

18禁アダルトサイトの入り口さながらですが、これでは「私は不正を働いています」「ここから先は反社会的なコンテンツです」と自分でアピールしているのと同じでしょう。これを見たヤフーの関係者が「退室する」をクリックして見逃してくれると本気で信じていたのだとすれば、相当頭が悪いと言わねばなりません。さて、「入室する」をクリックすると、次のような案内が表示されるようになっていました。(注3)

下から3行目に「Yahooから何度も出品物を削除されてしまいました」とあるのですが、いったい何を出品して削除されたのかは明らかにしていません。ヤフー側も商売なので、よほど変な物でないかぎりは出品を歓迎するはずです。勝山智充受刑者が出品していたのが、わいせつ物だったのか、それとも模造拳銃だったのかは、今となってはよくわかりませんが、何か倫理的に問題のあるものだったことは、まず間違いないでしょう。
この1円玉オークションの参加者に勝山智充受刑者がトラブルを仕掛けていた証拠は今のところ見つかっていません。しかし、何らかのトラブルが発生した場合、落札者側にも不正な取引に参加した落ち度があることになり、誰にも助けを求められない状況に陥ることは想像にかたくないでしょう。そのためにトラブルの痕跡が残らなかった可能性は十分にあると考えられます。
勝山智充受刑者は、かなり早い時期からパソコンやインターネットに凝っていた、いわゆるオタクだったようです。かつて勝山剣光堂のサイトに、次のようなことが書かれていました。(注4)

一連の事件の公判で勝山智充受刑者は「私は顧客を自分の仲間と見なしているので、消費生活センターに相談したり警察に通報したりすることは裏切り行為として到底容認できるものではない」という意味の発言をしています。随分と勝手な理屈ですが、もしかすると、これは黎明期のインターネットにおける、アングラ空間的な雰囲気を引きずった発言なのかもしれません。勝山受刑者は、今なおインターネットを一種の治外法権と見ており、そこではすべてが自己判断・自己責任だと主張することで、何をやっても逃げ切れると思っている節があるのです。そして、実際に逃げ切った経験が、その信念を強化していったのでしょう。また、彼の場合は共犯者の影響も大きいようですが、それについては別の機会に取り上げてみたいと思います。

注
- http://1st.geocities.jp/k_kenkodo/salukitania.htm {at, kn, wm}
- http://www.kenkodo.biz/webshop/yahoochk.htm {wm}
- http://www.kenkodo.biz/webshop/yahooauc1yen.htm {wm}
- http://www.kenkodo.biz/webshop/whatsnew.cgi {wm}
括弧・略号
{ } アーカイブなど
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