勝山剣光堂ニュース


長運矢と金釘で書く三代目

勝山剣光堂ニュース 2018年09月10日


今からちょうど3年前の2015年9月、福井地方裁判所が勝山剣光堂に実施した強制執行において被害者のものとされる刀剣が回収されました。ところが、それは勝山智充被告によって偽造された偽物であることが後に判明するのです。ステンレス製の模造刀の なかご に黒い塗料を塗り (1) 、その上から金釘のようなもので銘文を刻み込んであるという、信じ難いほどにずさんなものでした。ところが、この強制執行に刀剣の鑑定人として立ち会った人物、その模造刀を手に取ると「おおむね本物と一致する」と鑑定して執行官に回収させてしまうのです。後に、この鑑定人は勝山被告と個人的につながりのある人物だということが判明するのですが (2) 、それはともあれ、勝山被告によって模造刀に彫られた銘というのが振るっています。本来は「於東都長運斎綱俊造」(東都において長運斎綱俊つくる)であったのですが (3) 、塗料の上に勝山被告が文字通りの金釘流で彫った銘は「長運斎」が「長運 」になっていたのでした (4) 。人呼んで「長運矢と金釘で書く三代目」

勝山剣光堂のウェブサイトによれば勝山智充被告は4代目ということになっています。しかし創業者は勝山被告の祖父、先代の社長は勝山被告の父なのですから、創業者の孫にあたる勝山被告は3代目というのが一番ありそうでしょう。結論から言えば、勝山被告が自分を4代目としているのは、自分が社長に就任した直後に福井市照手の勝山剣光堂を離れ、八重巻中町に「剱光堂かつやま」を開業した叔父の勝山 捷容かつやす 氏の独立を否定する意図によります。勝山智充被告は、剱光堂かつやまは勝山剣光堂の別名であり、照手にあるのが本店で、八重巻中町にあるのは支店だと主張しているのです。ところが地元紙『日刊県民福井』が捷容氏を「剱光堂かつやま2代目」と報じたために (5) 、智充被告は父親を3代目、自分を4代目にすることにしたのでした。その方が歴史があるように見せかけることができ、人をだましやすいという判断もあったのかもしれません。しかし父親は創業者の次男、叔父の捷容氏は四男ですので、これは、やや無理のある設定と言うことになります。

勝山智充被告は刀剣職人になるための修業をしたことは一度もありません。ですから長運矢と金釘で書くようなことも平気でやるわけですが、一方、叔父の勝山捷容氏は全国刀剣商業組合の機関紙『刀剣界』の長期連載「刀職紹介」でいちばん最初に取り上げられたほどの人です (6) 。もともと照手の勝山剣光堂の4階を自分の作業場としていたのですが、智充被告の父親であった先代の社長が病死すると、新たに社長となった智充被告に追い出される形で八重巻中町に移るのです。その後、4階の作業場は智充被告の専有物となり、電動工具などが雑然と置かれるようになりました。その荒れた様子を写真で見たことがあるのですが、こんなところで数々の刀剣が破壊され、部品が抜き取られ、智充被告の好きなようにされていったのかと思うと、何ともやりきれない気持ちになります。被害者の多くが経済上の理由などから訴訟をあきらめ、智充被告の“やり得”になってきた事実が今月18日の判決に反映されることを願わずにはいられません。

勝山剣光堂のウェブサイトは照手の勝山剣光堂を本店かつ実店舗、八重巻中町の剱光堂かつやまを支店かつ修理作業場としています。これは刀剣の修理と称して勝山智充被告が行った数々の稚拙な工作の責任を勝山捷容氏に押しつける意図によるものでしょう。被害者の中には、それを見て剱光堂かつやまに連絡を取った人もいるのですが、これに対し智充被告は、その必要はないのに叔父に言いつけた、裏切り行為だ、迷惑料を徴収するなどと応じています。また、照手の勝山剣光堂に電話をすると、たいていの場合は智充被告の妻が電話に出るのですが、その場合の常套句は、自分は何も知らない、担当者でなければわからない、担当者は遠く離れた作業場にいるが、そこには電話がなく取り次げない、でした。遠く離れた作業場というのは八重巻中町のつもりでしょうか? 勝山剣光堂の作業場は4階にあり、そこで担当者の智充被告は電動工具に囲まれていたはずなのですが (7)

勝山智充被告が自分の祖父を勝山剣光堂の創業者としていることは、すでに述べた通りです。それを根拠に勝山剣光堂は「創業九十余年・老舗の美術刀剣専門店」とうたっているのです。しかし、勝山剣光堂という会社の歴史は実際にはこれより浅く、それを立ち上げたのは勝山被告の父親でした。つまり初代の社長は勝山被告の父親だったということです。もっと言えば、勝山被告の祖父が行っていたのは、現在では美術刀剣とは認められず、工業製品として破断処分の対象となる軍刀の製造でした。つまり勝山剣光堂のうたい文句「創業九十余年・老舗の美術刀剣専門店」は、それからして詐称だったということです。


注記

(1) 茎 (刀) < ウィキペディア

(2) 公判で執行官が大失態! < 鬼手仏心 < FC2ブログ(社会問題被害者救済センター)2017年10月14日 17時56分

(3) 長運斎綱俊 < ウィキペディア

(4) 刀を偽装工作し返却、方法は稚拙 横領容疑で3度逮捕の男 < 事件・事故 < 福井のニュース < 福井新聞 ONLINE(2016年07月28日 17時00分)

(5) 「美の追求意欲衰えず 剱光堂かつやま2代目さや師 勝山捷容(かつやす)さん」〈ふくい老舗物語〉『日刊県民福井』2012年10月29日。この記事は勝山剣光堂のウェブサイトの「会社概要」に引用の上、勝山智充被告によって「記事はデタラメだらけですがこんな記事を掲載しても大丈夫なのでしょうか?」などのコメントが書き加えられている。

(6) 「〈白銀師〉勝山一捷さん」《刀職紹介》『刀剣界』第2号(全国刀剣商業協同組合、2011年11月15日)5面。同組合のウェブサイトでは2016年5月より後に、それまで閲覧可能であった同号の5面から8面までが一括削除された。よって現在では1面から4面までしか閲覧することができない。

(7) 勝山智充被告が怪しげなNPO法人を主宰していることは「勝山被告とNPOとインターネットオークション」および「勝山智充被告が見せる謎の証明書」で取り上げた。このNPO法人の電話番号は勝山剣光堂のものと同じであり、住所が福井市照手の「剣光堂ビル4F」となっている。そこが勝山被告の居場所だということだろう。

備考

独自記事。もと「勝山智充被告が見せる謎の証明書」と「勝山被告とNPOとインターネットオークション」の注記であったものに加筆した。